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心の広い方だけ、どうぞ。
某月9ネタです。
「便所」
という自分の声で目が覚めた。寝違えでも起こしたのか、体のあちこちが突っ張ったように痛い。くそ、と伸ばした腕が何かに当たり、ゆっくりと目をやって、ゆっくりとまばたきをした。
「・・・あ?」
骨ばった、けれども曲線がなめらかな肩が見えた。その上を見ると、見知った顔。同じゼミ生の桐畑哲平だった。むにゃむにゃと口を動かし、何かいい夢でも見ているのか、やけに口が緩んでいる。
なぜ。
と思う前に体の方が動いていた。
バッと体を起こし、状況を把握する。
ベットの上だった。
隣には哲平。
なぜか上半身が裸で自分もトランクスしか身に着けていなかった。ハッとし、手をやると濡れていた。――自分の尻が。冷たく、少しベタつく感触に自分でも驚くほど引いていた。
まさか、だ。まさかだろ。
100歩引いて。いや、1万歩くらい引いたっていい。何か起こるとしても、自分は襲う側だろう。それが、
「嘘だ・・・」
見下ろすのは、間抜け面。おれが、こんな奴に・・・。
思い出せ。
ゆうべ、何が起こったのか。
テーブルの上には、酒ビンが転がり、部屋にも濃厚なアルコール臭が充満していた。カーテンはまだ閉まったままだが、白い光が差し込み、朝だと分かる。
昨日。
昨日もいつものようにゼミの仲間と哲平のアパートに押しかけ、隣の部屋から苦情がくるほど騒いで飲んだ。
まずアキが帰ると言い出し、大己が送りに出て・・・。それで・・・。それからどうした。大己は結局、帰って来たのか? 亮介は。
考えても洩れるのは、「クソ」という呟きだけだった。
そういえば、何だか尻のあたりが痛いような気がする。
冗談だろう。
湧き上がるのは、怒り。
何でおれが、こんなオタク野郎に。
まぁ、よく見てみればかわいくも見えないこともないが・・・、って、うぉぉい、そうじゃねぇだろ。
どうする、このまま、なかったことにして帰るか。
おはよう、ステキな朝だね。なんて言われたら、こいつを殺しかねない。
チカリとまぶたの奥に痛みが走る。
何だ、今――。
「ヤッベー、もう少しでもらすところだったよ。あぶねぇ、あぶねぇ」
ジャーッという水音と共に、ひょっこりと亮介が顔を出す。
「・・・あ?」
「あ、羽井くん、起きた?」
「・・・ああ?」
状況を把握――、できるわけがなかった。
「お前、いつからここにいたんだよ」
「いつからって・・・、羽井くんと一緒だよ」
うー、寒い。と背中を向けてこたつに入る。
どういう――。
「あ、今、大己が朝食を買いに行ってるから。いや、でも、昨日は、マジ飲みすぎた。羽井くんもさ、いきなり、おれは尻で割り箸を割れるとかいってがんばりはじめるしさ。おもしろかったけど」
尻で――、割り箸を――、割る――。
額に手をやる。うすぼんやりとだが、思い出す。それで尻痛か。
しかし――。
「ただいまー。朝ご飯買ってきたよー」
大己の声。ベットの上にあぐらをかく羽井を見て、ひとこと。
「羽井くん、寒くない?」
「あぁ」
言われてみれば、だ。
「寒い」
「あ、大己、何、バニラアイスなんて買ってきてんだよ。しかも、肉まんと一緒にしやがって」
さっそくコンビニの袋を漁る亮介に大己は、なぜか羽井の方を向いた。
「だって、昨日、羽井くんが食べてるのを見たら、おれも食べたくなっちゃったんだもん」
「あ」
思い出した。そして、そっと尻のあたりを探ると、それは、あった。カップアイスだったもの。これか。
二人から見えないようにホッと息をつくと、哲平の顔を思い切りつねる。まぎらわしい真似しやがって!
「いででででで・・・」
と言葉は発するが、それでも起きる様子はない。
「あきれる奴だな」
「仕方ないよ」
と言ったのは大己だ。口にアイスを運び、ゆるやかな笑みを浮かべる。
「羽井くん、哲平の首に腕をかけて離さないから、しばらくうなされてたもんね、哲平」
「そう、そう。羽井くん、酔っ払いすぎ。嫌がる哲平の服を脱がしたり。おもしろかったけど」
頬を掴んでいた指にますます力を入れる。
憎たらしいほどだらけた寝顔。
そうだ。
夢を見ていたんだ。
手を伸ばした先にいたのは――。
(end)
・・・なんていうか、申し訳ない。
表記と違う!と一回バックしました。
ちょっと目覚めた感じですが、羽井はアプローチの仕方を知ってるんでしょうか。
逆切れしたり、周りからの応援という名の妨害を乗り越え頑張って欲しいです。
羽井と桐畑の絡み・・・というか、じゃれあいはアドリブだそうですが、どんどんと密着率が高まっているので、本当にどうにかなってしまうんじゃないだとうかと心配です。
感想、ありがとうございました。
羽井さん可愛いですv
いつかドラマの方でもこんなドンチャン騒ぎが見てみたいwW
酔いの勢いで二人、とんでもない事しそうです!
服を脱がすのもやりかねない気が…←
ギャグっぽくて、面白かったです!!
二人はシリアスよりもあったかい感じが良いですよね。
バニラアイスネタは、門地先生の「じゃじゃ馬ならし」からネタを拝借しましたが、この頃の二人を見ていると、あながち・・・と思ってしまいます。
感想、ありがとうございます!
谢谢感想.
很被努力.
对不起巧妙不能表现的事.
另外,请来玩.
再見!