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 東野光生の「補陀落幻影」を読む。
 本職は水墨画家で小説家としても芸術選奨を受賞されたりと偉い方だろうに、さらっとしていて静かで心地よい話でした。心が洗われた~。
 お互いに戦争を経験した一校時代からの友人・佐原と阿山の物語。
 主人公の佐原は、戦争で盲目となった阿山のために点訳し、残りわずかになった命を憂いて気力を失くす阿山のために音楽会を開いたり、阿山は阿山で、戦時中での人の死を思い、死ぬことに思いを馳せている佐原を何とか生かそうと試みる。
 出会ってから四十五年。友情を深めてきた二人。
 人生の中で、こんなにお互いを思えあえる人には、そう簡単に出会えないし、出会えずに終わってしまう人がほとんどだと思う。それほど、二人の思いは、深く、そして切なかった。
 「補陀落」というのは、修行僧が海へ舟を出し、極楽浄土を目指すという地方の風習。ラスト、このタイトルが・・・。
 戦争の描写はたった一箇所でしたが、その部分だけでも、とてつもない時代を生きてきたんだなと考えさせられました。戦争という歴史が、いかに人の心に重い澱を残すのか。
 全体的に話がきれいすぎるかなという感じもしますが、何せ、潔癖な二人の話ゆえ。
 映画化なんかしたら、絶対にいいと思うけど、何せ、老人しか出てこないからなぁ。
 タイトルは硬いですが、さらっと読めます。腐女子的読み方もできますよ(ニヤリ)

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